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2010年8月15日 (日)

不動産について(架空事例・やや長文)

後見人のしごとでこんなことがあったとしたら・・・。

架空事例(その2)です。

ある被後見人の方が亡くなりました。その方にはまったく身寄りがなかったため、葬儀等の死後の事務は後見人をはじめ、関係者の協力のもとに行われました。

一通りの死後事務を終えいくばくかの財産が残りましたが、相続人はいません。そこで相続財産管理人が選任され、その後は相続財産管理人がおこなうこととなりました。

ここで相続財産管理人の仕事について説明します(やや長文です)。

1.成年後見~相続財産管理人へ

・被後見人等の死亡に伴い後見人の財産管理権等は失われる。

・相続人や受遺者が不在でかつ財産がある場合、その財産が宙に浮いた状態になってしまう。

・上記の場合、後見人等は相続財産管理人の選任申立てをおこなうことにより、引き継ぎをすることができる。

2.相続財産管理人の権限と義務

・保存行為と善良な管理者の注意の権限を持って事務をおこなう。

・財産の処分が必要な場合は権限外行為許可の申立てが必要になる。

・家裁の命令により、管理状況や管理計算の報告が必要になる。

3.手続きの流れ

①相続財産管理人選任の申立て

・利害関係人が家裁に対して選任の申し立てを行う(後見人等は利害関係人になる)。

・候補者には後見人自身がなることもある。

・申立人および候補者に対して、家裁より照会書が送られ手続きが進められる。

・家裁から審判がおりることによって選任となる。

②財産目録の調製と提出

・就任後速やかに財産目録を作成し裁判所に提出する。

・管理費用は相続財産の中から支払うことができる。

③相続財産管理人選任の公告

・家裁より相続財産管理人選任の公告が官報に掲載される。

・期間は2か月である。

④相続債権者・受遺者に対する請求申出の催告

・上記期間を経過しても相続人が不明の場合は、管理人が相続債権者・受遺者に対して2か月以上の期間で持って官報公告をおこなう。

・必要な支払いはこの期間が満了してから行うことが望ましい。

⑤相続人捜索の公告申立

・上記期間経過後、家庭裁判所に相続人捜索の公告を申立てする。

・期間は6か月以上である。

⑥特別縁故者への相続財産の分与

・上記期間経過後、3か月以内に特別縁故者は相続財産分与の申し立てを行うことができる。

特別縁故者:生計同一者、療養看護に努めた者、その他特別の縁故があった者など

⑦残余財産の国庫引き継ぎ

・上記期間を経過しても、残余財産がある場合は管理人に報酬が支払われ、残りは国庫へ引き継がれる。

・最後に終了報告を提出して、管理人の事務は完了する。

さて、相続財産管理人さんは、その後、粛々と管理業務をおこなっていましたが、ある日、一通の通知を受け取ります。それは不動産があるので、固定資産税の納税義務者を決めてくださいとの通知でした。管理人は不思議に思い、元の後見人に尋ねると不動産があった話は聞いていないとのことでした。

役場へ行って尋ねてみると、なんと確かに不動産(建物)が存在していました。現地へ行くと実際に建物も立っていたのです。

なぜ後見人が気付かなかったかというと、被後見人だった人が施設へ入所する際に、その自宅は借家だと関係者から聞かされていたからだというのです。実際には借家ではなく、所有する財産だったのです。

しかもその建物は100年近く前のかなり古い建物だったので、固定資産税が発生することはなく、そのため後見人は気付かなかったのです。

結局、相続財産管理人が家裁と相談して、建物を処分し何とか無事に業務は終わりました。

はたして不動産が存在するのかしないのかを確認するにはどうすればよいのでしょうか?それは役場へ行って「無資産証明書」を取得すればよいのです。これによって不動産がないという証明になります。ただし各市町村ごとの手続きになりますから、その人の住んでいたところや縁のあった市町村すべてで手続きしなければならないかもしれません。

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