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成年後見

2013年8月13日 (火)

専門職による成年後見制度の悪用

どうして、こうも成年後見制度の悪用が重なるのでしょうか。また専門職による成年後見制度悪用による着服がありました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130812-00000024-asahi-soci

すでに本人は刑事告発されています。

以前にも、こうした事件があったときは、関係者から成年後見制度に関していろいろと懸念の声をいただくことがあり、私も心中複雑でした。ほとんどの専門職後見人はきちんとまじめに仕事をしています。ほんの一部の人間によってこうした事件がおきると、専門職全体の信用問題にかかってくるのです。

たとえば、後見制度支援信託というのがあります。これは一定額以上の金額を信託銀行などに預けることによって、家庭裁判所の許可がない限り、払い戻しすることができなくなる仕組みです。

この仕組みは現在、後見類型で親族後見の場合に適用される制度です。専門職については信頼度が高いということで適用になりません。しかし、今回のようなことが今後も続けば、専門職への適用も検討されるかもしれません。

http://www.courts.go.jp/vcms_lf/210034.pdf#search='%E4%BF%A1%E8%A8%97+%E6%88%90%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E8%A6%8B'

これ以外にもいろいろな面で、制約を受けたり、チェックが厳しくなってくるかもしれません。悩ましいことです。

2013年7月19日 (金)

障害者への特定贈与信託が拡充

障害者における成年後見制度にまつわる課題の一つに「親亡き後」といった言葉がでてきます。これは、障害者の親が亡くなった後に、本人の生活などをどのように整えていく必要があるのかといったことです。

その一つとして、今年度から「特定贈与信託」が制度拡充になりました。

http://www.smtb.jp/personal/entrustment/management/special-donation/

これは親から障害をもつ子どもへ贈与する場合、一定金額まで贈与税が免除される仕組みです。従来は「特別障害者」つまり、

知的障害者の重度、精神障害者の1級、身体障害者の1級または2級

の方に限って、この制度の対象になっていました。

2013年4月からは「特別障害者」に加えて「特定障害者」つまり、

知的障害者の中度または軽度、精神障害者の2級または3級

の方についても制度対象となりました。

非課税限度額は「特別障害者」が6000万円、「特定障害者」が3000万円までとなっており、今までよりも多くの方が対象となります。

特定贈与信託を利用すれば、親御さんがあらかじめ信託銀行にまとまった金額を信託することにより、定期的に一定額が本人口座に振り込まれるようになります。いわば仕送りのようなものですね。

成年後見制度講座などで講演する際に、親御さんの関心事の一つに、障害を持つ子どもにどのように財産を残したらよいかといった質問を受けることがあります。この特定贈与信託がこうした課題を解決する一つの方法として浸透することが期待されますね。

2013年5月30日 (木)

改正公職選挙法

改正公職選挙法が成立し、成年被後見人の選挙権が認められるようになりました。国の迅速な対応は評価できると思います。

後見制度利用を支援するにあたって、本人や家族には後見類型の場合は選挙に行けなくなります。と今までお伝えしてきましたが、その説明は不要になるわけです。

今回の改正は、裁判所が下した違憲判決によるところが大きいと思われるのですが、別の角度から見ると、選挙権が認められない後見類型割合が多いことも一つの要因ではないかと思います(保佐、補助、任意後見は選挙権はあります)

平成24年12月末現在の後見制度利用状況を概観すると、

後見 136,484人

保佐 20,429人

補助 7,508人

任意後見 1,868人

となっていて、全体の8割強を後見類型が占めています。以前の記事でも書きましたが、本当に後見類型でよいのか、申立前に注意深く確認することが必要と思います。後見類型になれば多くの法律行為は代理できるようになりますが、そのぶん被後見人の権限は縮小されます。被後見人のメリットでなく、後見人の権利がきちんと守られるようにならなければと思います。

公職選挙法は改正されましたが、違憲判決の控訴については取り下げられていないようです。なぜ・・・?

2013年5月27日 (月)

被後見人の財産を横領した専門職後見人に実刑判決

仲間の社会福祉士より、被後見人の財産を横領した専門職後見人に実刑判決が下ったとの情報をいただきました。

http://mainichi.jp/area/gunma/news/20130409ddlk10040145000c.html

被後見人の財産の中から約250万円を横領したとのことです。本人は自首しましたが、判決は懲役2年6か月の実刑判決となりました。

平成24年の最高裁判所の調査では後見人選任において、弁護士、司法書士、社会福祉士などの第三者後見人が選任された割合は51.5%、親族は48.5%となっています。この制度は平成12年度に始まりましたが、当初は第三者後見人は約20%、親族は約80%でしたから、年々第三者後見人の割合が高くなってきています。それだけ第三者後見人へのニーズは高まっているわけです。

にもかかわらずこういった不祥事を起こしてしまうのは、とても衝撃的です。第三者後見人への信頼を裏切った行為ともいえるわけで、裁判所の判決はそういった点も含んでいたのかと推測されます。

後見人は本人の代理人として、財産管理を軸として大きな権限を家庭裁判所の審判によって与えられます。預貯金を動かしたり、本人宅に立ち入って財産調査を行ったり、後見人以外では知ることのできない情報を得るなど、とてもデリケートなことをおこなうことができるわけです。

だからこそ、これらの業務を行う際は、後見人自ら立会人を求めたり、預貯金に関して複数人で確認するなどの手だても必要になってくるわけです。大きな権限を与えられているからこそ、自らが説明のできない行為に及ばないような仕組みを作っておく必要があるかと思います。

2013年5月 2日 (木)

後見人の不祥事

後見制度を悪用した弁護士が逮捕されました。なんと3900万円も着服したということです。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20130501-00000194-fnn-soci

この弁護士はニュース記者の取材にいろいろと答えていますが、被後見人のもとに訪問するのに掛かる必要経費として、1回につき5万円とか10万円といっています。おまけに帰りにラーメンまで食べて、これが必要経費だと主張しています。どう考えても必要経費にはなりません。

後見業務を遂行するにあたって、ご本人からいただく費用として

①報酬

②必要経費

の2点があります。報酬については、法定後見制度の場合は業務内容や管理財産等の状況により、家庭裁判所が決定します。決定された金額をご本人の財産からいただくわけです。任意後見の場合は本人と契約した金額において決まります。

そしてもう一点の必要経費は、後見業務を遂行する上で必要な費用のことです。たとえば通信に必要な郵便切手、各証明書等を取り寄せるのに必要な収入印紙、面会に必要な交通費などが必要経費になります。あくまでも業務遂行のために必要となる実費です。

ですからこの弁護士が言うように、1回の訪問で何万円も経費が掛かることはあり得ません。ましてやラーメン代を本人の財産からいただくこともあり得ません。せいぜい数百円から数千円程度でしょう。

通常は必要経費についても定期的に家庭裁判所に報告するので、こうした不適切な行為を報告したとすれば、当然に家裁から指導が入りますし、場合によっては解任、刑事告訴されるなどの処分になります。

報道では、この弁護士は2007年9月に後見人に就任し。その後、2010年3月に1000万円の預金を解約し自分の口座に入金、さらには不動産売却した代金2900万円も着服したとのことです。3年以上も前からこうしたことをしていたのに、明るみに出なかったのはなんとも不思議なことです。家裁へはどんな報告をしていたんでしょうか?

財産を守る後見人が、ましてや専門職後見人が、こうしたことをしてしまうのは何ともやりきれないものですね。

2013年3月18日 (月)

被後見人の選挙権

知的障害のある被後見人とその家族が、選挙権の行使を求めた裁判で、東京地裁は違憲であることを認めて選挙権を認める判決を下しました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130314-00000691-yom-soci

また政府・与党は今国会で法改正にも取り組む意向を示しています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130318-00000125-jij-pol

私もこの裁判には注目していました。そして適切な判決であったと思っています。権利擁護の視点に立った判決であったと思います。

しかしながら、2つほど疑問が残りました。

ひとつは、なぜ「後見類型」であったのかということです。被後見人であるご本人の様子がテレビニュース等で拝見させていただきましたが、しっかりと自分の考えを述べるなどの様子が見られました。「後見」でなく、「保佐」や「補助」という選択肢も十分に考えられたのではないだろうか?

そしてもう一つは、この後見制度を利用する際に、後見、保佐、補助のそれぞれの類型によってできること、できなくなることなどの説明を誰かがすることはなかったのかということです。特に後見類型は選挙権も含めて、その方の様々な権限を制限することになります。こういった説明を誰かがする必要もあったのではないかと思いました。

後見人等が付くことによって、その人がいままでできたことを制限させてしまう機能をもっています。だからこそ制度利用の前に、十分な説明や情報提供が必要になるのだと思います。

2012年7月20日 (金)

公的年金と還付申告

平成23年分から、公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、所得税の確定申告をする必要がなくなりました。

要するに公的年金収入が400万円以下でそれ以外の収入が20万円以下の人は確定申告は不要になったのです。これで確定申告をしなくて済むようことが多くなりました。

ただ還付申告の必要がある場合は確定申告が必要になります。年金収入だけの方でも、源泉徴収票に源泉徴収税がある場合は、確定申告することによって税金が戻ってくるケースがあるのです。

年金受給者には毎年定期的に源泉徴収票が送られてくるかと思いますが、特に気にせずそのままにされている方もいるかもしれません。でもよ~く調べてみると税金を納めすぎのケースもあるかもしれません。確定申告の検討が必要になってきます。ちなみに最長過去5年にさかのぼって還付が受けられます。

源泉徴収票は最寄りの年金事務所で発行してくれます。その源泉徴収票を持って管轄の税務署へ行けば、職員が申告のお手伝いをしてくれます。なお、その際には源泉徴収票だけでなく、印鑑、還付金振込先の通帳、その他各種控除を証明するもの(障害者手帳、医療費の領収証、生命保険等の証明書など)も合わせて持参しましょう。もちろん後見人が申請する場合は、登記事項証明、後見人の印鑑なども必要になっています。不明な点は税務署に確認しましょう。

2011年10月20日 (木)

財産を守るはずの後見人

今日の新聞記事に、「後見人ら、財産を守るはずが着服18億円超」とありました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111020-00000256-yom-soci

昨年6月から今年の3月までの間に親族後見人によって、なんと182件もの着服があったというものです。専門職後見人の着服も2件ありました。平成22年の後見人等の新規件数が約28000件です。おおざっぱな計算ですが約0.7%ほど着服があったということになります。残念なことです。

家庭裁判所や後見監督人は後見人の監督を行いますが、すべての不正を防ぐことはなかなか難しいものがあるようです。

後見人は本人に代わって代理権、同意権など様々な権限を与えられたうえで業務にあたるわけですが、これらはとても大きな責任を伴った権限なわけです。が、あくまでも本人のための権限であることを認識しておかなければならないわけですが、このことを忘れてしまう後見人もいるのかもしれません。

過ちを起こさないためにも、財産を扱う時には細心の注意を自らが課していく必要があるかと思います。当たり前のことですが、財産の引き継ぎや財産調査などの際には必ず第三者の立ち合いを求めるなど、過ちを起こさない工夫が求められます。

2011年9月16日 (金)

自力救済

「じりょくきゅうさい」と読みます。

たとえば、賃貸アパートなどにおいて、家賃滞納などにより退去を迫る場合、貸主である大家がアパート内にある備品等を借主の許可なく処分してしまうことや、鍵を付け替えてしまって中に入れないようにしてしまうこと、などが該当します。盗まれた物を自分で取り返すことや仇討なども自力救済に該当します。

仇討はともかく、盗まれたものを自分で取り返すのなら、法的に問題なんじゃないかと思いがちですが、自力救済は原則禁止されているのです。自力救済を扱った判例はその多くが自力救済を行った者を罰しています。基本的には法的手続きを取ってから対応することが求められます。

成年後見人の仕事をしていると、これに相当しそうな出来事が結構起こってきたりします。細心の注意を払って仕事をしなくてはなりませんね。

2011年8月18日 (木)

差額ベッド代

差額ベッドのことを正確には「特別療養環境室」というのだそうです。病院へ入院した際などに、多床室(いわゆる大部屋)でなく個室などに入ることがありますが、このとき発生するのが差額ベッド代になります。

「大部屋でなく個室で環境が良いのだから、差額ベッド代を払うのは当たり前だよねぇ。」と思っている方も多いかもしれませんが、基本的には患者が自分の意志で選択し同意した場合に、病院は請求できることになっています。

厚労省の通知によれば、下記のような場合は病院は請求できないことになっています。

・感染症など治療の必要上、個室でないと対応が難しい場合

・緊急を要する場合で個室に入らざるを得ない場合

・多床室の空きがなく個室に入らざるを得ない場合

いずれにせよ、病院側の都合や判断だけで個室に入った場合は請求ができないことになっています。

患者本人の同意が必要なことから、病院によっては入院申込書などに差額ベッド利用について同意します云々といった文言が盛り込まれていたりします。個室しか空きがない、治療のため個室に入ってもらいます。などと病院側の都合がうかがわれる場合は、差額ベッド代について納得できるまで話し合ってみるとよいかもしれません。

仮に差額ベッド代が一日あたり5,000円としても1か月単位では150,000円程度になってしまいます。このほかに治療代などが掛かるわけなので、20万~30万円くらいにはなってしまうことも多いようです。

後見人の仕事をしていると時に利用者さんが入院することもありますが、差額ベッド代については特に注意を払って後見事務をこなしています。いずれにしても入院の際は、よ~く確認されたほうがよさそうです。